見開き
マンガには、見開き表現というものがあります。
その回の一番いいシーン。
どーんと2枚の原稿用紙を使って
ページを跨いだ一枚の絵として、感動を表現します。
先日マンガ教室で生徒さんに「見開きって難しいですか?」と質問されました。
生徒さんの「難しい」というのは、おそらく技術面での質問だったと思います。
ただ私の頭に浮かんだ「難しい」は、
昨今の電子書籍の流れの中で、
もう見開き表現というものがない、という意味での
「難しい」が浮かびました。
紙の本では、両手で本を持って、広げて読む前提があります。
ところが、スマホや、タブレットで読むことを前提としたデジタルで読む電子書籍では、
見開き単位で本を表示することは珍しく、
基本1ページ単位で表示することが当たり前となってきています。
もっというと、コマひとつひとつ、切り取って表示なんてこともあります。
そんな中で、生徒さんに見開きの表現を教えていいのか、という葛藤がありました。
もちろん、教えていいんですけど、
「紙の本を出すことが前提とした表現」。。。という説明がなんとも悲しく、
(基本、よほどでない限り、紙の本なんてもう出ないもんね)
申し訳ない気持ちになったのでした。
これもペーパーレスの一環。。。
私たちは今、文化が大きく変わる一瞬の波の中にいるのだなあ。