担当さん
私の初代担当さんは、二人おられます。
おひとりは、担当が決まるまでの「仮担当」として面倒を見てくれた姐さま。
もうひとりは、初代担当として長く見てくれた恩人さま。
私はとにかくこのおふたりに、鍛えられました。
お話の組み立て方。
キャラの萌え。
笑い。涙。
今でも、基本的には自分のOKの基準は、ふたりに出して恥ずかしくないものかどうか。
「ここで笑ってくれるかな」
「この顔かっこいいって言ってくれるかな」
無意識で浮かんできてしまうほど、とにかくお世話になりました。
特に恩人さまは、あんなど新人の小娘だった私に
向き合って、向き合って、向き合って、育ててくれました。
結果、私に求められただけの力がなくて、私が「無理!」ってなって
けんか別れして、恩人さま自ら担当を外れ、違う方に担当してもらうことになりました。
ここが、難しいところなんですよね。
マーガレット副編集長さんも、
きっとこういう向き合い方をされている方だと思います。
だから、その中で編集さんに見えている「正解」に作家が追いつけないこともある。
そして、潰れてしまうんですよね。
でもそれは、作家に力がないということだから、仕方ないんです。
人との相性もあるし、難しい。
ものを作るクリエイティブの理論を、
外野が知った顔で「パワハラだ」とか、
自分の経験だけに頼った価値観でなんやかんや言えるものじゃないですよ。
私の恩人である編集さんおふたりは、今現在白泉社の取締役です。
今でも、「ごはん食べさせて〜」と言って遊びにいっては、
ベロベロになるまでお酒飲ませてもらっています。
親でも、友達でもない、でもなんか強い信頼関係で繋がっているのが、
作家と編集さん。
恵まれていると思う。
こんな人間関係のある職場。
歴代、いろんな方に担当してもらって
正直、気の合わない人もいたし、いまだに根に持ってることもあるし
いい関係ばっかりではない。
でも今の担当さんは素敵な人だし、
私の人生、トータルでいい人間関係に恵まれていて
幸せなのだ。
いい人生なのだ。