花ざかりの君たちへ
読み返してて、
あー、まだこの当時私ペンネームなんだ!ってびっくりした。
アキラだった!あはは。
まだデビュー前だったんだなあ。
(私がデビューするにあたって本名でいくって決まった時に、
中条先生に「本名だと、通販の時恥ずかしいよ?」って言われたんだ(笑)
そんな中条先生の部屋にはAmazonのにっこりダンボールが溢れてた。
先生ドールが好きだったから、いろんなドールのもの通販で買ってた。
恥ずかしかったのかな?)
私、ほんっと何も出来なくて。
なんも出来ないくせに、「締め切り守れオーラ」がすごかったみたいで。
「規代ちゃんがこわい」って裏で言われてたらしい(笑)
だって、先生全然焦らないんだもん。
締め切りがすぎて、編集さんが毎日様子見に来るのに、
テレビ見てあはは!ってずっと笑ってるから。
そうなると担当Sさん、アシの私たちを詰めてくるからさー。
そりゃオーラ出すよね…。
そして私、机がテレビの横だったからさ、テレビ見たら睨んでる私が目に入るのよ(笑)
それが嫌だったんだろうな〜。
思い返して、先生がまともな生活してるの見たことないなあ。
睡眠も食事も。
マンガって命削って描くものだっていうのは、私も週刊誌やって思い知った。
各月でも、週刊誌ってほんとすごいことなんだよ。
連載してる先生たちみんな尊敬する。まじで。
(ジャンプとか、それ以上のプレッシャーと体力いるんだろうなあ…)
先生のすごいところは、本当に絵が華やかなところで。
たった3コマで画が持つ凄さ。
ずっと夢の3コマ…って思ってたんだ。
今になって、ようやく3コマも怖くなくなったけど、当時はほんとに
「うわ!一瞬でうまった!」って目の前で見てて魔法か!と思ってた。
その局地はカラーだったなあ。
あんな強い色でも迷いなく、どんどん塗っていくんだもんなあ。
出来上がりが見えてるんだろうなあ。
近いうちに原画を見る機会があると思うので、ぜひ見てほしい。
原画ってすごい発色だから。CMYKってどうしてもくすむので。ぜひ。
そうそう(笑)
一番すごいのが、先生白泉社がまんが投稿者にプレゼントしてる原稿用紙使ってて、
あれって正直、薄くてペラペラだし、紙質もそんなにいいわけじゃないんです。
(ごめんさい。悪口ではないんです。)
そこに、耐水性のホルベインのインク使ってて。
これね、私がこの組み合わせで描くと、まともな絵にならないんですよ。
なんていうか、紙の隙間にインクがどんどん広がっていって滲むんです。
それをどうやって、あんなシャープな線画が描けるんだろうって、
ほんっっっとすげーと思ってみてた。
絵が下手なの道具のせいにできねーなって、思い知らされました。
本当にものすごい体験させてもらってたなあ。
私今まで、過去に戻りたいって思ったことないけど、
今は、今の脳みそで、あの机にもう一度座りたいって思う。
本当に、かけがえのない時間だった。
改めて。
中条比紗也先生に大大大感謝です。
ご冥福を、心よりお祈りしています。